ユルギュップ観光:見どころと楽しみ方

ユルギュップは、眺めるための場所である前に、人々が暮らす町です。最初の気球が谷の上に浮かぶよりずっと前から、ここで人々は暮らし、買い物をし、集ってきました。通り過ぎるのではなく、ここを拠点にする理由はそこにあります。カッパドキアの岩の風景と、パン屋や床屋、チャイガーデン、夕方のにぎわいが今も残る町。その両方を楽しめるのです。

以下でご紹介する場所は、どれも町の中心から車ですぐ。歩いて行ける場所もいくつかあります。このページは、ユルギュップの中心にある歴史あるトルコ式ハマム、Ürgüp Hamamのスタッフが書き、随時更新しています。

ユルギュップの概要

ユルギュップは、カッパドキアの中心、ネヴシェヒル県にあります。一帯の景観は「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石遺跡群」として、1985年からユネスコ世界遺産に登録されています。

町はいくつもの名で呼ばれてきました。ビザンツ時代の資料ではオシアナ(Osiana)/ハギオス・プロコピオス(Hagios Prokopios)、セルジューク朝時代にはバシュヒサル(Başhisar)、オスマン帝国時代にはブルグト・カレスィ(Burgut Kalesi)。そして今に残ったのが、ユルギュップという名前です。

ユルギュップへのアクセス

町の中心からの道路距離の目安:

ユルギュップから距離
ムスタファパシャ5 km
オルタヒサール6–7 km
ギョレメ9 km
アヴァノス13–14 km
ネヴシェヒル市街20 km
ネヴシェヒル・カッパドキア空港(NAV)47–48 km
カイセリ・エルキレト空港(ASR)70 km
  • どちらの空港にも国内線が発着し、どちらもカッパドキアの玄関口として使われています。カイセリのほうが遠いものの、一般に便数は多めです。

テメンニの丘

町の真ん中、通りから約80メートルの高さにそびえる丘は、最初に訪れたい場所です。20分ほどで回れることに加え、ここに立つと町のほかの部分がよくわかるからです。頂上からは、ユルギュップが同じ岩の中に、そしてその岩から切り出した石で築かれていることが見てとれます。

名前は願いごとに由来します。訪れた人々は昔から、頂上の霊廟に布の切れ端を結んできました。丘には2つのドーム屋根の建物があります。ひとつは伝統的にセルジューク朝のスルタン、ルクネッディン・クルチアルスラン4世と結びつけられ、その隣の墓は伝統的にアラエッディン・ケイクバト3世のものとされています。建物の年代は資料によって異なり、もとの建物を1288年とするものもあれば、スルタン・アブデュルメジトの治世の1852年に霊廟に改められたとするものもあります。

1855年にタフスィンアー図書館が創設されたのもこの丘で、アナトリアで最も古い図書館のひとつとされています。

  • 所要時間:20〜30分。おすすめの時間帯:夕方前。

三美人(ユチ・ギュゼッレル)

カッパドキアで特によく写真に撮られる妖精の煙突のひとつで、ユルギュップの西約1.7km、ユルギュップとオルタヒサールを結ぶ道路沿いに立っています。3つの円錐形の岩は、ふつう大人2人と子ども1人の姿にたとえられ、それが名前の由来になっています。

地質学的にも珍しい存在です。カヴァク・イグニンブライトの中で形成され、ほとんどの妖精の煙突とは違い、その帽子は上に重なる硬い岩ではなく、イグニンブライト内部の軽石の層からできています。夜はライトアップされます。

  • 所要時間:15分。料金:無料(道路沿い)。

谷めぐり

ユルギュップのまわりには、日帰りツアーではなかなか訪れない谷が広がっています。

クズルチュクル(レッドバレー)は、ユルギュップ郡のオルタヒサールとチャウシンのあいだに約1.5km続く谷です。いくつものトンネルを抜け(最も長いものは約37メートルで、最後に20メートルの急な下りがあります)、ユズュムリュ教会の前を通ります。やがてメスケンディル渓谷と合流し、チャウシンに出ます。谷の段丘は、夕方に夕日を見に人々が集まる場所。岩が、谷の名前のとおりの色に染まります。

ゴメダ渓谷は、ムスタファパシャの西、アイヴァル村の北にあります。かつて約600世帯の集落があったと考えられており、2つの教会、2つの墓地遺跡、地下都市が残っています。トンネルや暗い洞窟が多いので、懐中電灯と歩きやすい靴をお持ちください。

パンジャルルクとユゼンギは、より静かな2つの谷です。パンジャルルクには岩をくり抜いた教会があり、ユゼンギはユルギュップのすぐそばにある深い谷です。

  • 所要時間:1つの谷をしっかり歩くなら半日。

オルタヒサール

ユルギュップから6〜7km。小さな町の真ん中にひとつの岩がそびえ、中がくり抜かれて城になっています。高さは60メートルを超え、カッパドキアでも有数の高さの岩窟建築です。トンネルと階段で結ばれた部屋からなる防衛のための集落で、ビザンツ時代からオスマン帝国時代まで使われていました。

2004年に閉鎖され、修復を経て2013年に再開しました。安全上の理由から公開されているのは内部の一部ですが、見どころは登ること自体。頂上からは、四方に広がる谷を見渡せます。

  • 所要時間:登る時間を含めて1時間。

ムスタファパシャ(シナソス)

ユルギュップから5kmのこの村は、1476年と1927年の記録にシナソン(Sinason)として登場します。1924年の住民交換までは、裕福なワイン商や薬種商が暮らすギリシャ正教徒の村でした。彼らが残したのは、約700の石造りの邸宅(そのうち93は築100年以上)と、30ほどの教会や礼拝堂です。

訪れる理由は、石の細工です。シナソスの石工たちは、切り石を彫刻の施されたファサードへと仕上げました。マルディンの家々に似ていることから、職人は南東部から来たのではないかという説もあります。

2021年、ムスタファパシャは国連世界観光機関の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれました。

  • 所要時間:昼食を含めて半日。

イブラヒムパシャ

静かな村です。1928年まではババヤン(Babayan)として記録されていましたが、のちに大宰相ネヴシェヒルリ・ダマト・イブラヒム・パシャにちなんで改名されました。村に初めて飲み水を引いたのも、このパシャだと伝えられています。石橋は1938〜39年に、村人たちがネヴシェヒルの石工の親方オスマン・ウスタとともに架けたものです。

かつてはギリシャ系の村だったと考えられていますが、住民が早い時期にイスラム教に改宗したため、1923年の住民交換の対象にはなりませんでした。そのため、住む人が入れ替わったムスタファパシャとは違い、途切れることなく暮らしが続いてきた村ならではの空気があります。

  • 所要時間:1〜2時間。ムスタファパシャと組み合わせるのが自然です。

アヴァノス

北へ13〜14km、トルコで最も長い川、クズルウルマック川のほとりにあるアヴァノスは、陶器の町です。川床の赤い粘土は何千年も前からここで使われてきており、工房では今も足踏みろくろで器がつくられています。

アヴァノスには、Ürgüp Hamamと同じスタッフが運営する姉妹館、Alaaddin Hamamもあります。町の中心にある歴史あるトルコ式ハマムです。一日の終わりにユルギュップよりアヴァノスの近くにいるなら、そちらで締めくくるのが自然です。

  • 所要時間:半日。

ワイン

カッパドキアでは古くからぶどうが育てられてきました。その中心がユルギュップです。地元の白ぶどう品種エミル(Emir)は、ユルギュップ、アヴァノス、ネヴシェヒル周辺の高い火山性凝灰岩の台地に根づいた在来品種。標高およそ900〜1,300メートルに植えられ、ほかの場所では商業的に栽培されていません。酸が高くミネラル感のあるワインになり、多くの旅行者が中央アナトリアのワインに抱くイメージとは、ひと味違います。

見学を受け入れているワイナリーは3つ。ユナク地区のトゥラサン(Turasan)はユルギュップで最も歴史があり、よく知られた名前で、岩をくり抜いたセラーとショップがあります。イスティクラル通りにあるマフゼン・シャラプ・エヴィ(Mahzen Şarap Evi)はサルカヤ家のセラーで、1983年からワインをつくり、ぶどうのワインに加えて、桑の実、ざくろ、いちごなどのフルーツワインで知られています。コジャバー(Kocabağ)は約9km離れたウチヒサールにあり、試飲室からは鳩の谷を見渡せます。

営業時間や試飲料は変わることがあるので、出かける前に確認しておくと安心です。

ユルギュップ国際ぶどう収穫祭(Uluslararası Ürgüp Bağ Bozumu Festivali)は、毎年9月に開かれます。民族舞踊や音楽、そして収穫そのものを楽しむ、観光客向けではない町のお祭り。だからこそ、日程を合わせて訪れる価値があります。

気球

カッパドキアの気球は一年中飛んでおり、休航シーズンはありません。ただし、実際に飛べる日数は大きく変わります。最も安定しているのは春(4〜5月)と秋(9〜10月)で、夏もたいてい穏やかです。冬は霧、霜、変わりやすい風のため、欠航率がぐっと上がります。

ユルギュップの町なかに離陸場はありません。気球はギョレメ周辺の谷から飛び立ち、風によってはアヴァノスの方へ流れていくこともあります。ユルギュップに宿泊している場合は、夜明け前に運航会社の送迎車がホテルまで迎えに来て、飛行後に送り届けてくれます。

飛ぶかどうかを決めるのは、運航会社ではありません。風が許容基準を超えたり視界が悪すぎたりすると、民間航空総局がすべてのフライトを中止します。その場合は、全額返金か、次の飛行可能な朝への無料振替が一般的な対応です。これは天候による公式の欠航の場合で、お客様のご都合による変更や、送迎に間に合わなかった場合は対象外です。

乗馬、ATV、ジープサファリ

谷は、馬の背やATV(四輪バギー)、オープンジープでも楽しめます。どれもユルギュップから数分の場所から出発します。

乗馬は、エンジンのついた乗り物よりもこの風景によく似合います。カッパドキアの古い名前「カトパトゥカ」は、ふつう「美しい馬の国」と解釈されています。所要時間は1時間から半日まで。人気があるのは、谷をめぐるサンセットライドです。

ATVツアーは、スピード感のある楽しみ方です。谷の道を1〜2時間走って展望スポットまで上り、たいていは夕日の時間に終わります。砂ぼこりも体験のうちです。

ジープサファリはより広い範囲を回れるので、運転するより景色を眺めていたい方に向いています。同じ谷を、家族で乗れる車でめぐります。

どれも実際には季節に左右されます。春と秋は快適、夏の日中は暑く、冬は天候次第です。

ベストシーズン

春(4〜6月)と秋(9〜10月)は過ごしやすい季節です。日中は穏やかで、朝は気球にちょうどよい涼しさ。ぶどう畑は新緑か収穫の時期を迎えます。

夏は暑く乾燥しているので、日中は屋内や地下で過ごすのがおすすめです。

冬は寒く、雪が降ることもあります。雪をかぶった岩の風景は、ほとんどの人が目にすることのない、もうひとつの姿です。

そして最後に:ハマムへ

トルコ式ハマムが、ユルギュップの一日の始まりではなく終わりにあるのには理由があります。ここではよく歩きます。テメンニの丘に登り、オルタヒサールの岩に登り、谷を下り、石畳を歩く。そのあとにハマムへ行くのが、この町の昔からの習わしです。

1726–1727年に建てられたÜrgüp Hamamは、町の中心のイスティクラル通り(İstiklal Caddesi)にあります。入浴の流れは昔ながら。温められた大理石、あかすり、泡、そして湯上がりの一杯。町の多くの場所から歩いてすぐで、すべてのパッケージに、カッパドキア内どこからでもホテルへの無料送迎が含まれています(Pir-u Pakは2名様以上の場合)。

よくある質問

ユルギュップには何日必要ですか?
丸2日あれば、町、谷ひとつ、ムスタファパシャを慌てずに回れます。3日あれば、気球の朝、オルタヒサール、2つ目の谷も加えられます。
ユルギュップからギョレメまではどのくらいですか?
約9km、車で15分ほどです。オルタヒサールはさらに近く6〜7km、アヴァノスは北へ13〜14kmです。ネヴシェヒル市街までは20km、ネヴシェヒル・カッパドキア空港までは47〜48km、カイセリ空港までは70kmです。
カッパドキア観光の拠点に、ユルギュップは向いていますか?
まわりに本物の町の暮らしを感じたい旅行者に向いています。ギョレメは野外博物館に近く、ツアーデスクも多い町。ユルギュップはより大きな生活の町で、町の中心やレストラン、夕方のにぎわいがあり、夜は静かです。カッパドキアのほとんどの場所へは、どちらからでも車ですぐです。
ユルギュップで無料で楽しめることは?
テメンニの丘、三美人、古い石畳の通り、町のまわりの谷歩きは、どれも無料です。
ユルギュップは歩いて回れますか?
町の中心部は歩いて回れます。谷、ムスタファパシャ、オルタヒサール、三美人へは、車、タクシー、ツアーをご利用ください。
ユルギュップは何で知られていますか?
岩をくり抜いた旧市街、カッパドキアのぶどう畑の中心であること、ぶどう収穫祭、そして1726–1727年に建てられた歴史あるトルコ式ハマムです。